竹林整備×子どもの遊び場づくりプロジェクト

竹林整備×子どもの遊び場づくりプロジェクト
石見銀山みらいコンソーシアムが主体となり、2025年3月より放置竹林を活用した子どもの遊び場づくりに挑戦しています。
2025年度は石見銀山基金、2026年度は緑の募金助成事業を活用して、竹林の整備と子どもが安心して遊べる場づくりを進めています。

竹林整備×子どもの遊び場づくりプロジェクト

きっかけ:山側の遊び場が…

保育士の一言

きっかけは、地元の保育園の先生がこぼした「大森町内に山側で子どもたちが遊べる場所がない…」という言葉でした。より良い保育を追い求めて、先生方が各地の研修に参加する中で、大森町では立ち入ることのできる山の遊び場がないことに悩んでいました。

それから、町内の山側の土地を歩き回り、候補地を探していきました。
確かに、谷間にある大森町では、周りを見渡すと山は近くにあるのですが、どこも傾斜がきつく、子どもだけでなく、大人も立ち入ることの難しい土地ばかりでした。

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放置竹林の問題

加えて、気になったのは範囲を拡大している竹林の景観です。
遠目に見ると、緑が映えて美しくも見えるのですが、近寄ると枯れた竹が倒れていたり、過密に繁殖していたり、所によっては道路側に迫り出し、今にも電線や道路に向かって倒れかかろうとしている竹もありました。

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最終的に、1箇所、手洗い場やトイレが近くにある場所に決めました。
個人の所有の土地でしたが、所有者へ趣旨を説明し、子どもの遊び場づくりを目的にお借りすることを快く承諾していただきました。

<写真 竹林(整備前)>

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聞くと、息子さんがコロナ禍で開拓した竹林で、出社ができない期間によくキャンプをしていたそうです。そのため、一部は竹の伐採が進み、開けた広場になっていました。

とはいえ、コロナ禍が落ち着いてからは訪れる頻度も減り、年に数回程度、所有者が見に行って多少手を加えるほどで、他には活用されていませんでした。

竹林整備:竹の伐採

竹林整備の始動

いよいよ場所が決まり、子どもの遊び場づくりが始まりました。
これから手を加えていこう、という初期の段階で、早速、保育園の子どもたちが見学しに来てくれました。

竹林整備×子どもの遊び場づくりプロジェクト
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初めて竹林へ上がった時の子どもたちのワクワクした表情。
未整備の状態でしたが、そんなことは気にせず、倒れた竹を跨いで斜面の方へ駆けていきます。

生えている竹を支えに、子どもたちは峠に向かってスイスイ登っていきます。
時々足を滑らせて尻餅をつきながら、表情は真剣。友達同士で声をかけ合い、助け合いながら竹林での遊びを楽しんでいました。

子どもたちが楽しむ姿を見て、より一層、整備への熱が高まります。
早速、倒れている竹の片付けや枯れている竹から伐採を始めました。

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地元の高校生や大学生の力も借りて

地元の高校生にも来ていただき、竹の片付けや新竹を倒す作業をしてもらいました。
驚いたのは、半分以上の生徒が竹を切ったことがある、とのこと。さすが島根っ子!

<片付けの様子の写真>

簡易的なベンチづくりにも挑戦してもらいました。

<ベンチ作りの写真>

7月からは梅雨や暑さにより作業がしづらいため、一時中断。
秋からまた整備を再開しました。

秋の初回は、地元の大学の先生と学生が手伝いに来てくれて、伐採や片付けをしてもらいました。

<写真 大学生の作業>

作業に慣れている学生もそうでない学生も、楽しく前向きに取り組んでいただきました。
やはり皆で作業すると楽しいですね。

<写真 集合写真>

作業に関わる人の広がり

冬からは元林業従事者の方を月に2,3回、町の事業協同組合から派遣してもらい、間伐を進めていきました。
作業を重ねるにつれて、陽が当たる範囲が広がり、風の通りも良くなっていっていることが感じられます。

<写真 建人くんが切り倒している>

年明けからは、島根県のボランティアマッチングサイト「しまっち」に掲載したことで、市外からも作業に加わってくださる方が現れました。
毎回のように参加してくださる方もいて、整備が勢いよく進んでいきます。

<しまっち 集合写真>

まずは下の広場の伐採から始めました。
ここは、保育園の乳児が遊べるよう、間伐ではなく全伐していきます。
道側に飛び出ている倒れた竹も撤去していきます。

<写真 下の広場の片付け、伐採>

多くのボランティアの方々の協力があり、なんとか一冬の間に下の広場の全伐を終えることができました。陽が入るようになり、風が通るようになって、見違えるように一気に開けた空間に変わりました。

<写真 したの広場のビフォーアフター>

竹林整備:竹の処分

竹の伐採は、慣れてくると簡単に行えるのですが、大変なのは倒した後の竹の処理です。
まず、葉のついた枝を落としていく必要があります。
枝は嵩張るため、幹と分けて整理していきます。

溜まった竹の処分方法として、3つの方法で取り組んでいます。

1)野積み

伐採した竹の幹を竹林内の特定の場所に積んでいく方法です。
やがて竹が朽ちて、土に還っていきます。
伐採した竹をその場から片付けるのに有効ですが、土に還るまでには時間がかかります。

<写真 野積み>

2)竹チップ

粉砕機を使い、伐採した竹の幹や枝を粉砕してチップにする方法です。
機械は高価で購入が難しいため、別の団体からお借りして行っています。
竹チップは、庭に撒くことで抑草になるほか、畑に撒くことで微生物の活動が活発化します。また、そのまま山に撒いても、野積みよりは早く分解され、土に還ります。
なかなか機械は高価で購入が難しく、粉砕するときは大きな音が発生するため、周辺の地域の方や観光客への配慮が必要です。

<写真 竹チップ>

3)竹炭

無煙炭化器という道具をつかい、その中で竹を焼くことで無酸素状態をつくって竹炭にする方法です。
炭化器も高価で購入が難しいため、別の団体からお借りして行っています。
炭にすることで炭素が固定化され、Co2の削減に繋がります。
また、出来上がったものはポーラス竹炭と呼ばれ、畑や山に撒くことで土壌改良の効果があり、畑の作物の生育を助けます。
火を扱うので十分な注意が必要で、炭になるまでに半日ほど時間がかかります。

<写真 竹炭づくり>

以上の3つの処分方法を組み合わせて、有効な手段を試していっています。

子どもの遊び場づくり

手すりの設置

下の広場の全伐が完了したので、上の広場の竹の伐採も行いつつ、並行して子どもたちの遊び場づくりを進めていくことにしました。
取り組むこととして、大きくは、安全確保と子どもたちをワクワクさせる仕掛けづくりの2つがあります。

まずは、安全確保の一つとして、広場に向かう通路に手すりをかけていく作業を行いました。
手すりには伐採した竹を活用します。竹は丈夫でありながらしなやかで、手すりに最適でした。

<写真 手すりづくり>

階段づくり

次に、足場の環境を改善していきます。
まず、下の広場に上がるための階段を丸太を使って作りました。
たまたま土地の所有者の方が伐採した杉の丸太を大量に持っており、いただいて活用しました。

<写真 丸太の階段づくり>

続いて、上の広場に向かう通路の足元を整えていきました。
過去に設置された階段は、木の板が朽ちて外れていたり、土が流されて足場がなかったりで、使える状況ではないため、全て付け替えることにしました。

足場の補強と高さを出すために、石を敷き詰め、その上から土を被せていきます。
この階段ができることで、引率の方が安心して登り降りや物の運搬が可能になります。
以前、保育園の子どもたちの給食を持って上がって、上の広場でお昼ご飯を食べたい、という声もあったので、先生方が安心して上がれる通路をつくっていきます。

<写真 階段づくり 石 土>

保育園の園庭に

本来は、竹林の中に子どものワクワクを刺激するような遊具を設置するつもりでしたが、日常的に竹に触れられたり、関心を引きつけたりするために、あえて最初の遊具は保育園と学童の共用の園庭に設置することにしました。
なんと、3月の作業に手伝いにきてくださった方が松江で庭師をされている方で、ロープワークを教わり、材料は竹とロープだけでジャングルジムづくりに挑戦しました。

作業は計画通りに進み、作業時間は半日×2日間で、完成させることができました。
早速、登って遊んでいる子どもたちの姿も。日常的に竹に触れて、関心を持ってくれる子が増えたらいいなと思います。

<写真 ジャングルジム 制作〜完成>